愛と復讐
“復讐”
そう。
私は、家族のために復讐をすると決めている
あの悪夢の日から。
復讐のターゲットは夢に出てきた黒いスーツの男。
わかっているのは
姉の恋人であり、黒いスーツを着ていて、私の頭1個分ぐらいの長身
それと…
今でも記憶に残る、右肘のほくろ
黒いスーツなんてたくさんいるけど
右肘のほくろは、珍しい。
「はぁ……杏子…あんたの、憎くてたまらない気持ちは分かるけど……復讐なんて怖いこと考えないで恋でもして、普通の人生歩みなよ?」
千代の言うことはわかる。
でもそれじゃあ
私の家族の無念ははらせない。
だからこそ
今朝の彼はかなりの条件を満たしている
「あとは、右肘」
私のその呟きを千代は呆れ顔で聞いていた…