お前は俺しかいねぇだろ?
出会い
[葵side]
入学式。
私、輪渡葵は今日から中学1年生。
まだ、慣れていない制服を着ながら猛ダッシュ。
遅刻する!
しょっぱなから遅刻はさすがにないかな…。
だから急がないと!
「葵!早くしなさい。全く!入学式の日に寝坊なんて…!!」
「ほへん。ほへん」
ごめん。ごめん。と言いたいけど、
パンを食べているため意味不明な言葉に。
「あら、制服似合うじゃない」
私が今日から通う学校は家から大体、2㌔離れていて
ギリギリ自転車通学じゃないところにある。
まー、いきなり自転車通学はできないけど。笑
学校名、佐渡学園。
制服がオシャレで有名な学園だ。
パリの有名なデザイナーが作っているらしい。
淡い水色のシャツに自由に選べるリボンとネクタイ。
赤と白のチェックのスカートに
白色のブレザー。靴下は特に規制はない。
んもー。
最高すぎちゃうわ♪
なんて、説明している場合ぢゃない!
急がないと!
「お嬢様、靴のお支度できました」
「あー。ありがとう!」
「葵!早く、リムジンに乗りなさい!」
「わかってるぅー!」
ん?
なんで「リムジン」かって?
実は私達、輪渡一家は輪渡財閥の人間!
私はその娘っていうこと!
あと年が離れていて高1の姉が1人。
輪渡玄。
「玄」は「げん」ぢゃないよ。
「しず」って読むからね!
「着いた!」
桜の並木道に囲まれた
去年、改築されたばかりの校舎。
この学園は大学までエスカレーター式。
将来の夢が医者な私にぴったりの学園だ。
中学受験は余裕だったし♪
でも新入生代表の話が来なかった!
なんでぇ!?
私より上がいることにむかつく!
誰だろ!
そいつが今日から私のライバルだ!
その出会いが私を変えることになる。