お前は俺しかいねぇだろ？

本当の姿

[爽side]



誰だ？？

俺は男２人に連れていかれた葵が

気になってこっそり追いかけていた。

誰かが倒れた音がした後にその部屋に入ったら

男２人は床に倒れていて

他に外国人の女が１人立っていた。

死んでる？？

でも、葵がいなかった。


「一体何があったんですか？」


俺は恐る恐る女に聞いた。


「爽…なんでここに？」


え？


「なんで名前知ってるんですか？？」


そう聞いたら、女ははっとした顔になって、


「なんでもないわ」


と言った。

ていうか超美人……。

ぷっくりした唇に透き通っている肌。

パッチリ二重で真紅の青色の瞳…。

声も甘い感じでかわいくて

髪の毛も金髪に少し銀髪が混じっている。

サラサラだ……。


「ここに女の子はいませんでしたか？」

「いたわ、あっちに逃げていったわよ」

「本当ですか？ありがとうございます。

ところでこの男２人、死んでるんですか？」

「気を失っているだけみたいね」

「あなたがやったんですか？」

「早く行きなさい」

「答えてください」

「死にたいの？」


死にたくねぇけど…。


「答えてください」


俺は警官になりたいんだ。

ここで折れちゃいけねぇんだ。


「私がした。でもそうでもしなきゃ

あの女の子が死んでいたわよ」


葵が…？


「そうですか…」

「失礼するわ」


と言ってその女は窓の方に近づいた。


「ま、待て……」


ザァッ…


一瞬にして消えてしまった…。

ヒラヒラと桜の花びらが落ちていく。

一体なんだったんだ…？