お前は俺しかいねぇだろ?
[爽side]
まじか……。
葵から話を聞いた時、今まで疑問に思っていた事のピースがはまった。
そんな事…本当にあるんだな…。
「だから…ッ爽……」
「なに??」
「私に今後一切、近づかないで」
は?
「な…なんで?」
「だってッ…爽に迷惑かけるし…命だって危ないんだよ!?」
泣きじゃくりながらそう言う葵。
なんでだよ…。なんで…。
「もっと俺の事頼れよ」
「え?」
「俺が守ってやるから、だからもう泣くな?」
「……ッ……」
そんなにかわいい顔すんなよ。
こっちが照れるじゃねぇか……。
「そ…だね…へへへ」
「うわッ!キモいw」
「ひ!ひどッ!」
うん、やっぱり葵はこっちの方がいいな。
「うし、教室戻るか」
「あ…うん」
ん?
「どうかしたか?」
「華子たちにも話さないとだめかなぁ?」
「大丈夫、あいつらなら受け止めてくれるだろ」
「仲いいっけ?」
「あんま?」
友達になって間もないけど、分かる。
あいつらならどんな事でも受け止めてくれる気がする。
「信じろ」
「ふふッ」
「な、に笑ってんだよ!」
「だって…ふふ…爽、なんか紳士っぽいもん…」
「…………だよ」
「え?なんか言った?」
「なんも」
『お前限定だよ』