お前は俺しかいねぇだろ?
[爽side]
やっぱり大学まで
エスカレーター式の学校は違うな。
初日からいきなしトリプル検査!
さすがの俺も嫌だわ。
ていうか、
新事実発覚。
輪渡の将来の夢って医者なんだな。
だから、頭良いのか。
まあ、
俺の夢も頭が良い方が有利だから、
勉強は必要だかんな!
「小田切くぅん♪ぉ隣サンだねぇ♪
よろしくねぇ♪」
うげぇ……
何この女…。
ブリブリしすぎだろ。
「そだな。よろしくな」
素っ気無く言ったつもりだったけど、
「ぅふふッ♪小田切君、
かーわーぅいー♪
照れなくてもぉ、いいんだよぉ?」
「照れてねーよ」
「そんなこと言ってぇ♪」
うふふ♪と語尾につける感じで
言った岡村由佳。
ブチッと俺の中でなにかがキレた。
「ちげぇって言ってんだろ!?
いい加減にしろ!!」
教室中響き渡る声でつい、
怒鳴ってしまった。
「……っ……」
その時、俺の頭の中に過去の記憶が甦った。
ガラッ!!
思いっきりドアを開け、
逃げようとした時
教室から
「小田切爽!!」
という声だけ聞こえた。