教師Aの授業記録



「…フッ。よくぞ聞いてくれた。さすが我が忠臣」


教師Aは意味ありげに笑った。

「えっ?何?忠臣って!総統って!」という田中のわめきは取りあえず涼しげにスルー。


そして、広げた手をぐゎしと握りしめ拳を固める。

ちなみにその際に、手に持っていた偽造パスポートは粉々に粉砕。


「――ずばり今日の授業の主題(テーマ)は地球征服についてだ!」


凄まじい握力を発揮させた力みとともに高々と宣言。



しばらくは大声の余韻とともに沈黙。


それを聞いた田中の両目がしだいに薄ら目になる。


「……そろそろそんなオチがくるか、と予感していたが…」


呆れたような感心したような声で呟く。


(――まさか10ページ過ぎでもう出てくるとは…)


内心ちょっぴり驚愕していた。

< 11 / 94 >

この作品をシェア

pagetop