復讐のkiss
「私はミラ様に、嘘をつきました。

私は花売りなんかじゃありません…

私はメカアトの王女、イシスと申します。

私の父、メカアト王は、長い病と闘っており、

私の号令のみで何とかメカアト軍は動いていました。

でも、先ほど、父王が亡くなってしまいました」


泣きながら、

でも真っ直ぐに私を見つめ、

そう告げたイシス。



イシスもまた、

私のように、王位継承者であった。

だが、戦い方を知らない。

何とかメカアトを守ろうとしたが、

女1人ではどうしようもなかったのだろう。


「イシス、貴女の言葉を、信じてもいいんですね?」

私の言葉に、イシスは小さく頷いた。


「イシスは、ミラ様の下にお仕え致します」

…お仕えするとは、

私の妃になると言うのか?

…それは困ったな。

「お優しい、ミラ様になら、どこまでも、

ついて行きます」
< 108 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop