復讐のkiss

ミラが愛おしむ目線の先には

束の間の休息だった。

戦の会議もなかった今日は、

王宮の片隅で、オレはただぼんやりと、

街を見つめていた。

・・・たまにはこんな日があってもいい。

いつもどんな時も、

戦の事ばかり考えてる自分。

家臣たちが不安に思わないように、

凛とした態度で、

毎日緊張が張りつめていた。


「…オシリス?」

突然、後ろから声をかけられ、

オレはハッとした拍子に、

椅子から落ちた。


少し驚いていたが、

すぐにその顔は笑顔に変わり、

オレを支え、立たせてくれたのは、

「…ミラ、どうした?」

ドレスに身を包んだ、ミラだった。

・・・

いつもは戦闘服で、男の格好の彼女が、

ドレスを身に付けている。

見た事はあったが、あまりの豹変ぶりに、

彼女を更に好きになってしまった。
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