復讐のkiss
「ジェヘティ王国に帰らせてください」


「・・・何?」


私の思ってもいなかった言葉に、

目を見開くラメセス。


「戦はすべて終わりました・・・

私の復讐も、すべて・・・」



そう言って少し寂しげに笑ってみせる。

ラメセスは私に近づくなり、

両肩をガシッと掴んだ。


「そんな事は許さない・・・

ミラ、君の願いは、このオレの命じゃなかったのか?

復讐の為に、このイスタに来たのだろう?」



「…最初はそうでした。

本当に貴方が憎かった。・・・でも、

私の両親を殺したのはラメセス王、貴方じゃない」


「・・・」


「…オシリスなんでしょう?

そのオシリスもまた、私の両親を殺すつもりはなかった。

不運の事故が重なっただけ・・・

だから、貴方を殺める事も、オシリスを殺める事も、

何の意味もない・・・

一緒に過ごしている間、2人をずっと見てきた。

貴方たちはこの平和を守る義務がある・・・

本当は正義感のある強い人、心の優しい貴方たちを、

どうして殺せるんですか?」
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