復讐のkiss
最終章 すべての結末
…それから数年の時が流れた。

私は王の代行として、職務に励んでいた。


たくさんの結婚の申し込みにも応えることなく、

たった一人で今も過ごしていた。


「お姉様、もう20歳になるのに、

ご結婚はされないの?

私も結婚が決まったと言うのに・・・」


妹レイラの言葉に、苦笑いを浮かべる。


「私は誰とも結婚はしないの。

レイラ、貴女が幸せな結婚をして、

貴女の旦那様とレイラが二人でこの国を守ってくれれば、

私はそれだけで幸せ・・・

この国のどこかで静かに暮らしていければ、

それだけでもう、他に何もいらないの」


私の言葉にレイラは溜息をつく。


「…お姉様、どこかに想う人でもいるの?

だから、誰とも結婚をしないんじゃないんですか?」


「ま、まさか、そんなこと」



その時だった。


ジェフティが血相変えて、部屋に飛び込んできた。


「どうしたんですか、そんなに慌てて」

私は驚きながらジェフティに問いかける。
< 150 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop