復讐のkiss
「帰りを待っていてくれたのか?」



「…イスタに来る時から決めていた事です。

私の想いを成し遂げるまでは、ここにいると」



「・・・そうか」


私の想い、それがなんなのか、

ラメセスは聞かない。

ただ、私がここに残っていた事が嬉しくて、

ラメセスは、民衆や家臣がいるにもかかわらず、

私をひしと抱きしめた。



「…ラメセス様、皆が見てます」

真っ赤な顔でオロオロとする。


でもラメセスは至って普通で。

「ミラ、お前は私の妻だ。

妻を抱きしめただけなのだから、

他の者も、何も思いはしない」



・・・そう言う問題ではない。


『あれが、ラメセス様の奥様?』

『とても、お綺麗な方ね』

初めて私を見る民衆たちが、

ザワザワとそんな話をしている。

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