復讐のkiss

涙のキス

それからどれくらい、

時間が過ぎたのだろうか。

気が付けば、空は真っ赤に色付き、

日ももう、暮れかけていた。


夕方になると急に、

外の気温はぐっと下がる。

この地方特有の気候。


私は身震いをして、

立ち上がった。


部屋に戻らなければ。


立ち上がった瞬間、

私の肩に、温かなストールが掛けられた。

驚き振り返る。


「…もう日も暮れる、部屋に入った方がいい」

そう言って微笑んだのは・・・



「…ラメセス王」

胸が締め付けられた。

私がここにいる理由を知ってるなら、

そんなに優しくしないで・・・


復讐の為だけにここに来た。

その気持ちが揺らいでしまったら、

私は私でなくなる・・・
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