影送り
君が好きだった、一番高い所でのポニーテール。
長いのが好きだって、君が言ったからここまで伸ばした。
少し先は癖っ毛だけどね。
「今日も、この髪型でいい?」
その言葉に返事は無いけど、それは肯定だと受ける。
白い髪ゴムで、髪を束ねた。
今日は、わたしはずっと笑ってないと。
心の中では、笑ってないと・・・
「涼君、ねぇすっごい晴れてるけど・・・暑くない?」
暑いよね、と笑いながらほんのり冷たい手を頬に寄せる。