影送り


こんな日差しの中、帽子も、日焼け止めも。


何も持たず、この見慣れた道をゆっくりと歩いていた。



影が、どんどん短くなっていく。


その影を見ながら、わたしの足は河原に向いていた。



最近は、全くと言っていいほど雨が降っていない。


川の水かさも、いつもの半分位しかなかった。



「・・・冷た」



独り言を言う癖が、付いてしまっているのだろうか。


手を川に漬けながら、口元に小さく笑みを浮かべた。

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