影送り
「ねぇ、涼く・・・「俺さ」
わたしの言葉を遮り、涼君は言葉を紡ぐ。
いつもは見せなかった、切なげな表情が胸を打つ。
「流れ星に、なんてお願いしていいか分からなかった」
「・・・・・・?」
「ずっと一緒にいれるか分からないのに、『一緒にいたい』なんて。
俺が・・・そんなこと、思ってもいいのかなって」
きっと、この前一緒に見た流星群のことだよね。
まさか、涼君がそんなこと思ってただなんて知らなかった。