影送り


「時間が止まれば良かったのにね」


そう、小さく呟く。


何も願えないのなら、時を止めてしまえばいい。


先に進まなければいい。


って・・・そんなの無理な話だけど。



「ん~それはそれで、俺的に嫌かな」


「何で?」


「だって、面白くないじゃん」



やっぱ、涼君は面白さを求めるんだね。


あの時も・・・


『俺、20歳まで持たないかもしんない』


そう言いながら、冗談っぽく笑い飛ばしてたっけ。


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