影送り


「影送りで、わたしは・・・涼君の面影を探してた」



ずっと、ずっと。


繋いだ手を、もう一度繋ぎ直したかった。


気休めだと思ってた。


あの時、君が影送りを教えてくれた意味が、わたしには分からなくて。



「どれだけ探しても・・・君の面影の思い出し方が、分からなくなっちゃったの」



もう、時間だと。


そう君の瞳が告げる。


それが分かってても、放すしかなかった手は空しか掴めない。


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