影送り
「マァーマ、何してるの~?」
「ん~?あぁこれね、“影送り”って言うのよ」
ジッと自分の影を見つめて、その後目を閉じて・・・
空を、見上げるの。
と、わたしの横に座る息子にあの懐かしい遊びを、教えた。
「わ~っ、お空に、りょうちゃんがいる!!」
「そうよ、ママがするとね、りょうちゃんも一緒にいるのよ?」
薬指にはまった、あの指輪。
あの日からも、ずっと外したことはない。
今、わたしは幸せだった。