影送り
舌が回らないし、むしろ噛んじゃうんだよね。
クスリと笑いながら、彼の髪を、頭を撫でる。
少し猫っ毛のこのフワフワの髪を、わたしは触るのが好きだった。
小さい時は、この毛をからかわれたって。
そうふて腐れながら言ってたけど・・・
この髪が無いと、パッと君に触れないからやなの。
「ねぇ・・・わたし、何をお願いしたらいい?」
スゥッと、流れてくる星屑を見ながらもう一度、涼君に尋ねる。
空を流れる星に重なって。
わたしの目からも、何かが零れ落ちた。