散華の麗人
同じく、千代も“本当に美人だ”という言葉を発するまでもなく見とれた。
「噂通りの美人やな!!」
「へ?」
一正の言葉に子供は目をぱちくりさせた。
どんぐり眼の目は髪と同じ黒色で可愛らしい。
(ただ……)
子供が茶を置くと、一正は子供の胸元を見る。
(平たい。)
そして、残念そうな表情をする。
「年はいくつや?」
「数え年で9つです。」
(なら、成長の余地あるな。)
子供の返答に一正が思う。
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