散華の麗人
茶々は再び話す。
「客というだけでは母国を裏切るような真似はしませんよ。」
そう言って笑む。
「婆様は……心の臓を患っており、治療にもお金がありません。そこで、このお金でより良い薬が買えます。」
茶々は目を悲しげに伏せた。
「……とはいえ」
「……そうか。」
(先は長くないか。)
一正は“もう言わなくていい”と首を振った。
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