散華の麗人

意図

少女の言葉が示す意図を一正は知っていた。

細川国前国王、陸羽。
当時の政権はその息子だった。
とはいえ、政権を継承したということは認識されていない。
なぜならば、病弱で先が短いことが目に見えていたからだ。
他国も細川国も、国王は陸羽だと口を揃えて言っていた。

そこへ引き取られた一正は総大将に任命されてしばらくした時に少女と会った。
はじめは、陸羽の子だと思った。
まだあどけない顔をしていて、真紅の瞳は綺麗なほどに澄んでいる。
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