散華の麗人
リアンは無表情で剣を見て、笑んだ。
「……貴方に向けた感情は、ただの怒り。我が一族を目障りだと滅ぼした国王とそれを気にもとめない元国王への憤り。」
でも、と続ける。
「復讐してしまえばそれまでです。それは、あまりにつまらない。」
クスクスと嗤う。
「上り詰めて、貴方を見下し嘲る。そして、天下を意のままにする。」
(……もう、大事なものを失わなくて済むように。)
はっきりと言う。
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