散華の麗人
私は牢に入れられた。
その中で、兵士と母様の会話が聞こえた。
『どうか、どうか、あの子の命だけは……』
『いいのか?死んでも知らねぇぞ。』
『私の命はいいです。あの子が助かるなら』
その会話を聞いて、私は理解した。
母様は私の身代わりになるつもりでいると。
今思えば当然だ。
我が子を大切に思うのが、母親というものだ。
後に母様は処刑された。
『風麗。貴方は強く在りなさい。』
『母様ー!!』
私はただ、見ていることしか出来なかった。
その時、私は思った。
私が1番強い存在になる。
そしたら、父様や母様を殺した国王を倒せると。
国王は民のことを考えていない。
権力を振り翳し、民を蹂躙する存在だと思った。
けど、違う。
この細川国の国王は民を大切にしている。
馬鹿でどうしようもない国王だが、彼は……
(1番の国王だ。)
風麗はそう思いながら微笑んだ。
自分が理想とする国王に会えた喜びと、それにこれから仕えるという嬉しさ。
そして何より、この先にある彼が創る世界への期待に笑みがこぼれた。
その中で、兵士と母様の会話が聞こえた。
『どうか、どうか、あの子の命だけは……』
『いいのか?死んでも知らねぇぞ。』
『私の命はいいです。あの子が助かるなら』
その会話を聞いて、私は理解した。
母様は私の身代わりになるつもりでいると。
今思えば当然だ。
我が子を大切に思うのが、母親というものだ。
後に母様は処刑された。
『風麗。貴方は強く在りなさい。』
『母様ー!!』
私はただ、見ていることしか出来なかった。
その時、私は思った。
私が1番強い存在になる。
そしたら、父様や母様を殺した国王を倒せると。
国王は民のことを考えていない。
権力を振り翳し、民を蹂躙する存在だと思った。
けど、違う。
この細川国の国王は民を大切にしている。
馬鹿でどうしようもない国王だが、彼は……
(1番の国王だ。)
風麗はそう思いながら微笑んだ。
自分が理想とする国王に会えた喜びと、それにこれから仕えるという嬉しさ。
そして何より、この先にある彼が創る世界への期待に笑みがこぼれた。