散華の麗人
あの屋敷の刺客は恐らくこの男の命を受けたのだと直ぐにわかった。
「情報や戦力を奪えず残念なことだ。」
さして思わないような口調で言う。
「国王を護るつもりならば、この戦から退くことだ。」
「私は、護ってみせる。この戦の中であろうとも。」
その応えに鼻で笑って男は踵を返した。
「……忠告はした。」
そう言って闇夜に溶けていった。
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