散華の麗人
ふと、一正が目を開く。
「なんや。」
「い、いえ!」
思わず、距離をとって直立した。
「相変わらず、わけわからんやつやなー。」
少し眠そうに言う。
「貴方に言われる筋合いありません。」
心外そうに風麗は言い返す。
一正は自分に掛けられた上着を見た。
「別に、わしは寒くないぞ?」
そう言うと、風麗に渡す。
風麗は“結構です”と言って突っ返した。
< 192 / 920 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop