散華の麗人
一正は困った表情をして、風麗に無理やり着せた。
「女は体を冷やしたらあかんのやぞ?」
「陛下こそ、病人なのですから暖かくしてください。」
「だから、わしは病人やないって」
「では、その顔色を鏡でみたらどうです?」
風麗は冷静に言い返した。
その言葉に首を竦める。
「とにかく、大丈夫や。」
「貴方の大丈夫は信用なりません。」
「主人信じない傭兵とか……」
「気に喰わぬなら斬ればいいでしょう?」
風麗は何の躊躇いもなく、言った。
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