散華の麗人
腕にはいくつもの赤い線があった。
(……自傷、か。)
『怖かったのか』
黙って抱き寄せた。
戦うことが、本当はこわかったのだろう。
だから、痛みで誤魔化した。
すぐに、わかった。
……自分も、同じだったから。
『だから、感情は要らないと言ったはずだ。』
願わくば、同じであって欲しくなかった。
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