散華の麗人
静かな、時間だ。
カコンと鹿威しが鳴るのが時間を感じさせる唯一のものだ。
「あのバカモノがいないだけで、こんなにも平穏とはな。」
「あちらは戦の最中でありますが。」
綺麗な白い手が茶を点てる。
「……さて、どう動くのであろうな。」
陸羽は雲行きを見据えた。
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