散華の麗人

躍進

翌日、兵を起こす音で一正は起きた。
隣には眠そうな表情で起き上がる千代がいる。
「……ふぁ、」
千代は欠伸をしながら、とろんとした目で一正を見た。
「八千代様」
そして、幼名で呼ぶ。
「寝ぼけとるんか?」
そう言うと、一正は千代を撫でた。
「顔洗ってこい。」
「えへへー」
にへっと子供のように嬉しそうに笑う。
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