散華の麗人
一正達は進む。
「あの。」
茶々は首をかしげた。
「兵の方はどうするのですか?」
「野宿ですよ。与兵衛太は名のある地主。しかし、兵全員までは受け入れられませんから。」
千代は当然の様に答えた。
「ならば、私も野宿します!」
「え?」
「私よりも、命を懸けて戦場に向かう兵が恵まれるべきです。寝床がなくとも寝れます。食事は稗があれば十分です。」
「……そ、そうですね。」
はっきりと言う茶々に千代は思わず納得してしまった。
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