散華の麗人
蘭と呼ばれた少年は、先程、出迎えた少年だった。
「父上以外の男は嫌いじゃ。」
年齢は茶々と変わらないが、口調はそれより幼く感じられる。
「わしは気にするな。」
一正は苦笑した。
「あ、のー……」
茶々は困惑して、少年と一正を交互に見る。
「蘭。」
与兵衛太が笑って名前を呼ぶと小動物のように蘭が反応した。
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