散華の麗人
そして、深呼吸をした。
(取り乱れている。……俺は、このような絆に惑わされてる。)
冷静に見据えた。
「貴様は、俺の乳兄弟だ。……八千代。」
優しい声音で名前を呼ぶ。
「!!」
一正はハッとした。
「畝。」
そして、雅之の幼名を呼ぶ。
「今は、八倉雅之だ。」
「……っ、」
泣きそうな、嬉しそうな、悲しそうな表情で見る一正に刀を向けた。
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