散華の麗人
伝う血を拭わずに雅之は一閃した。
避けたが、首元を僅かにかすった。
「最近、首をよう怪我するなぁ。あぶね。」
狐子に付けられた傷跡と今負った傷に触れて、わざとおどけた。
「致命傷でなくて良かったと思え。」
鼻で嗤うと、雅之は呆れたように言った。
「このような輩を国王にするとは……前国王も稀有だな。 奇人変人の類ではなさそうだが…………奇士、とでも言うか。」
そう言いながら、雅之は刀を構え直した。
避けたが、首元を僅かにかすった。
「最近、首をよう怪我するなぁ。あぶね。」
狐子に付けられた傷跡と今負った傷に触れて、わざとおどけた。
「致命傷でなくて良かったと思え。」
鼻で嗤うと、雅之は呆れたように言った。
「このような輩を国王にするとは……前国王も稀有だな。 奇人変人の類ではなさそうだが…………奇士、とでも言うか。」
そう言いながら、雅之は刀を構え直した。