散華の麗人
もし、“おっさん”とかだったら、自分の加齢臭を気にするところだ。
「……へいか?」
ぼんやりとした声音で風麗が呼んだ。
「お目覚めか?」
はははと笑って一正はおどける。
「自分で、歩けます。」
「んなわけあるか。おなごに無茶させたら、はったおされるんはわしやで?」
「……申し訳ありません。」
風麗はそう言うと、黙り込んだ。
眠ってしまっただけかもしれない。
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