散華の麗人
その時、陸羽の隣に誰かがいるのを目で認識した。
初めから、気配だけは察していたが、特に意に介さなかった。
(傭兵には見えないが……ただの付き添いか?)
その者は短髪の少年で、身体の骨格こそ、大人に近いが、顔は童顔だ。
多く見ても15歳前後だろう。
「こいつは小姓の与吉郎や。今から成長が楽しみやで~♪」
風麗が余程不思議そうにしていたのか、一正が説明した。
「成長?」
「無論、背のことやで!」
与吉郎に一正は言う。
確かに、与吉郎の身長は女である風麗よりも小さい。
(これから成長期なのか。)
風麗はそのくらいにしか思わない。
「某は既に19を過ぎたところ、成長はせぬかと思われまするが。」
「童顔やから大丈夫や!」
「いくら陛下でも、それは聞き捨てなりませぬ!!」
「お!やるか?」
一正は楽しそうに与吉郎をからかう。
(19か、成長期が遅いのか?それとも、成長してこれか。)
風麗は冷静な表情で思う。
“バスンッ”
思考を遮るように、陸羽が一正を叩く音がする。
「あいてっ!!」
「少し黙っておれ。」
一正に陸羽が呆れた表情で言う。
「御託は並べぬ。」
陸羽は厳しい表情で言うと、杖で地面を叩いた。
「今のところ、ぬしを信頼しておる。その信頼を無くさぬようにな。」
「は。」
陸羽は風麗を見ながら言うと、風麗は頷く。
「“信頼を無くさぬようにな”……だって!!良かったな、風麗!気に入ってもらえて。わしなんて“バカモノ!!”しか言われへんで~♪」
一正は陸羽の真似をしながら、ケラケラと笑う。
「茶化すでない!バカモノ。」
陸羽は呆れたような、怒ったような口調で返した。
「まぁまぁ、ええやろ。」
笑いながら、一正は言った。
「……バカモノの相手は本当に疲れる。」
陸羽は呆れ返る。
「お前に客人が来ておる。」
「そか!!」
一正が嬉しそうに城へ向かうと、陸羽は呆れ顔でついて行く。
その後を2人は付いて行った。
初めから、気配だけは察していたが、特に意に介さなかった。
(傭兵には見えないが……ただの付き添いか?)
その者は短髪の少年で、身体の骨格こそ、大人に近いが、顔は童顔だ。
多く見ても15歳前後だろう。
「こいつは小姓の与吉郎や。今から成長が楽しみやで~♪」
風麗が余程不思議そうにしていたのか、一正が説明した。
「成長?」
「無論、背のことやで!」
与吉郎に一正は言う。
確かに、与吉郎の身長は女である風麗よりも小さい。
(これから成長期なのか。)
風麗はそのくらいにしか思わない。
「某は既に19を過ぎたところ、成長はせぬかと思われまするが。」
「童顔やから大丈夫や!」
「いくら陛下でも、それは聞き捨てなりませぬ!!」
「お!やるか?」
一正は楽しそうに与吉郎をからかう。
(19か、成長期が遅いのか?それとも、成長してこれか。)
風麗は冷静な表情で思う。
“バスンッ”
思考を遮るように、陸羽が一正を叩く音がする。
「あいてっ!!」
「少し黙っておれ。」
一正に陸羽が呆れた表情で言う。
「御託は並べぬ。」
陸羽は厳しい表情で言うと、杖で地面を叩いた。
「今のところ、ぬしを信頼しておる。その信頼を無くさぬようにな。」
「は。」
陸羽は風麗を見ながら言うと、風麗は頷く。
「“信頼を無くさぬようにな”……だって!!良かったな、風麗!気に入ってもらえて。わしなんて“バカモノ!!”しか言われへんで~♪」
一正は陸羽の真似をしながら、ケラケラと笑う。
「茶化すでない!バカモノ。」
陸羽は呆れたような、怒ったような口調で返した。
「まぁまぁ、ええやろ。」
笑いながら、一正は言った。
「……バカモノの相手は本当に疲れる。」
陸羽は呆れ返る。
「お前に客人が来ておる。」
「そか!!」
一正が嬉しそうに城へ向かうと、陸羽は呆れ顔でついて行く。
その後を2人は付いて行った。