散華の麗人
狂想
――時は遡り、一正と別れた後。
雅之は森を歩いていた。
(総大将を逃すとは、な。)
自嘲しながら、身を潜めていた。
見つかると面倒だ。
今の自分は死んでいる。
どこにもない、あの時に倒された傭兵だ。
雅之は森を歩いていた。
(総大将を逃すとは、な。)
自嘲しながら、身を潜めていた。
見つかると面倒だ。
今の自分は死んでいる。
どこにもない、あの時に倒された傭兵だ。