散華の麗人
自嘲しながら、意識を再び研ぎ澄ました。

“カサッ”

背後の僅かな物音に警戒する。

「……やっと、みつけた。」
聞き覚えがある声。
振り向くと、赤髪の女性が居た。
「あなたは、雅之さん。」
一正ではないと認識して言う。
「……月雲。」
こんな、都合良く現れるなどありえない。
夢かなにかだと思った。
< 416 / 920 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop