散華の麗人
すると、じろりと凄んで、遥葵は雅之を見た。
「そういう自分こそ、迷子なんじゃないの?」
「戯け。」
一言で一蹴された。
「同類にするな。俺は、国王と戦い死んだところだ。」
しれっと言うと、遥葵が眉を寄せた。
「ゆ、ゆー」
「幽霊ではない。」
「うっ。」
考えを完全に読まれて遥葵は呻く。
「戦いの末、俺は取引をした。この戦いで細川軍が勝てば国王に仕えると、な。」
「条件は?」
遥葵は真っ直ぐ見つめた。
「貴様に教えるものか。」
鼻で嗤いながら言う。
「む。」
遥葵は不満そうだ。
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