散華の麗人

過去

翌日、根を詰めて作業する一正に風麗が握り飯を差し出した。
「焦りは禁物です。どうぞ。」
一正は素っ頓狂な表情で風麗を見た。
「貴方はこれでも食べて、ゆっくりすればいいのです。私は陛下の側に立っている案山子ではありませんよ?補助くらい朝飯前です。」
風麗は真顔で言う。
「あんた……面白い奴やなぁ。」
握り飯と風麗を交互に見て一正は笑った。
< 477 / 920 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop