散華の麗人
実際に、こうして喜作に仕えることができている。
実力は認められている証拠だ。
『貴方は、平気なのですか?』
『興味ねぇさ。』
喜作は冷たく言った。
風麗が知る喜作という男はそういう男だ。
他人の心の内側に入らず、こういう話になると無関心になる。
それ以外の時は明るく、優しい、人付き合いが上手な男だ。
海を見ていることが多く、港にある灯台の管理や漁をして生計を立てていた。
風麗は時折遭遇する海賊や曲者を撃退する用心棒の役割をしていたが、専ら、家事や洗濯といった家政婦のような仕事が多かった。
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