散華の麗人
雅之は襖を閉めた。
「陸羽派の件だ。」
単刀直入に切り出す。
「貴様が蛆虫に退化している間、その書面に貴様が即位する前とした後の兵糧や賃金の出費、兵士の手取り、農民への出費を纏めた。6割は与吉郎や松内が纏めていたようだ。」
「わしは蛆虫に退化しとらんし、何や?それがなんかあるんか?」
「大馬鹿蛆虫。よく見ろ。」
雅之は兵士の手取りの変化を指した。
大幅に減っており、不満を感じるのも無理はない。
「これで、強盗や一揆が起こらなかったのが不思議なくらいだ。」
「だが、こうでもせな、農民が」
「農民愛好は他所でやれ。」
雅之ははっきり言った。
「貴様は未だ気付かないのか。兵は貴様の為に命をかけてると。」
「今の手取りでも生きていける。」
「では、このまま農民に費やせばどうなる。兵は皆、農民の方が楽でいい暮らしが出来ると言うだろう。戦力が無くなり、国が滅ぶのがオチだ。」
一正は唸る。
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