散華の麗人
辻丸は席を立った。
「では、辻丸殿。」
茶々が笑むと辻丸は無言でしかめっ面をした。
それに動せずに茶々と時雨は辻丸を案内して去った。
「国王は後少しで来るらしい。」
一正は溜め息混じりに言う。
「あぁー……畝が代わりに謁見してくれんやろか。」
「八倉殿は生憎ここに居りません。」
「わかっとるわ。」
風麗に一正は口を尖らせた。
< 579 / 920 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop