散華の麗人
そして、細川にリアンと清零国王は向かう。
傍らには月夜も居た。
「おとうさま。」
月夜は清零国王をそう呼ぶ。
実の父というわけではないが、清零国王はそう呼ばれることに無反応だ。
「細川には戦についての報告をするのみ。我には然したる目的も無い。」
“細川国王を殺す以外は”という言葉を清零国王は視線で月夜に言う。
「それにしても、我を呼び立てるとは……立場を弁えられぬ低脳が。」
苛立ちと共に歯軋りをした。
「やれ。そう殺気立つな。」
そう言う声がすると扉が開いた。
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