散華の麗人
城内では忙しく侍女達が働いている。
そんなことは気にもかけずに、リアンは小さな少女と共に部屋にいた。
少女は白い髪の毛を高い位置で2つ結びしている。
幼い顔に大きな目。
計算高いこの男にはおおよそ似合わない。
「まさか、本当に祭りを始めるとは……相変わらず、突拍子もないことばかり。さすがに、陛下の行動だけは推測出来兼ねます。」
リアンは呆れたように言う。
「ねぇ?月夜。」
同意を求めるように少女を呼ぶ。
少女はきょとんとしている。
「まつり?」
月夜は首を傾げた。
「知らないのですか?ならば、行きましょう。今は暇ですから。」
リアンの言葉に月夜は嬉しそうにコクコクと頷いた。
そして、2人は祭りへ出掛けた。
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