散華の麗人
立場
奥の茶室へ案内しようとした時、向こうから辻丸と茶々が来た。
少し後ろを時雨が不機嫌そうについてくる。
「どうした?」
一正が尋ねると茶々は気の良い笑顔を見せる。
「今、中庭の方を案内していたところです。」
そう答える茶々とは反対に時雨は不機嫌そうだ。
「なんじゃ。案内されてて悪いか?」
辻丸はふんぞり返って問う。
リアンは静かに辻丸を見据える。
「……む、そこに居るのはリアンじゃないか。」
驚いたようにリアンを見ると辻丸はじっと睨む。
冷たい空気が2人の間に流れた。
「相も変わらぬ、自身の身分を弁えぬ尊大な態度ですね。」
刺を帯びた口調でリアンは嘲笑う。
「ふん、お前よりは高貴だ。」
「それも綺麗ごとの上で成り立たせているもの。よくもまぁ、今ものうのうと生きていられますね。」
そう言う視線は辻丸を見据えている訳ではなさそうに見える。
「リアン。」
一正はリアンを嗜める。
「……失礼。」
恭しい一礼をした後にリアンは黙った。
少し後ろを時雨が不機嫌そうについてくる。
「どうした?」
一正が尋ねると茶々は気の良い笑顔を見せる。
「今、中庭の方を案内していたところです。」
そう答える茶々とは反対に時雨は不機嫌そうだ。
「なんじゃ。案内されてて悪いか?」
辻丸はふんぞり返って問う。
リアンは静かに辻丸を見据える。
「……む、そこに居るのはリアンじゃないか。」
驚いたようにリアンを見ると辻丸はじっと睨む。
冷たい空気が2人の間に流れた。
「相も変わらぬ、自身の身分を弁えぬ尊大な態度ですね。」
刺を帯びた口調でリアンは嘲笑う。
「ふん、お前よりは高貴だ。」
「それも綺麗ごとの上で成り立たせているもの。よくもまぁ、今ものうのうと生きていられますね。」
そう言う視線は辻丸を見据えている訳ではなさそうに見える。
「リアン。」
一正はリアンを嗜める。
「……失礼。」
恭しい一礼をした後にリアンは黙った。