散華の麗人
真紅の目

碧い髪

薄い唇

そして、紫色の髪飾り

一瞬、時が止まったように思えた。
(何だ?)
不思議な感覚に雅之は眉を寄せる。
「奇妙な奴だ。」
吐き捨てるように言い放つ。
「挨拶とは随分と余裕だな。何用だ。」
「大丈夫。こわがらないで。わたしはあなたにいじわるしにきたわけじゃないから。」
「怖がっている?舐めた口を利くな。」
雅之は口角を釣り上げた。
「あなたに助言をしにきたの。」
「余計な世話だ。」
少女は妖しく笑った。
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