散華の麗人
祭りが終わるとリアンは一正の部屋に来た。
すぐ隣には、月夜と風麗がいる。
(この子、誰だろう。)
風麗は怪訝そうな目で月夜を見ている。
「よぉ。祭りはどうやったか?」
「はい。楽しかったですよ。」
「そうか!ならよかった。」
微笑むリアンに一正は笑った。
月夜はかき氷とわたあめを交互に食べている。
他にも食べ物が入った袋を両手に下げているようだ。
「月夜。あんたも楽しかったか?」
一正に月夜は笑って頷いた。
「祭り……はじめて。だから、うれしい。」
「そうか!なら、よかった。」
月夜が不器用な言葉で伝えると、一正は明け透けに笑った。
(この子、話せるんだ……)
風麗は少し驚いた。.
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