散華の麗人
清零国王と陸羽は酒を飲んでいた。
お互いにかなり飲んでいるが、どちらも酔っている気配は無い。
与吉郎が酒を運んでいる。
(この人達は人間を辞めたんじゃろか……)
そう思い始めたとき、一正達が来た。
「ほう。ぞろぞろと取り巻きを連れてきたようだな。」
「邪魔する。」
上機嫌な様子の口振りに一正は形だけ笑う。
しかし、苦手としているのは明白だった。

ぐらり。

視界が歪んだ。

一正は自身の急な異変に対応出来ぬまま、足を踏み出して体制を整えようとするも失敗する。

「陛下。」

風麗が手を伸ばす。

「平気や。」
その肩をとんと押して一正は体制を整えて笑う。
「無理は褒められたものではないぞ。」
清零国王は労わるように見る。
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