散華の麗人
褒めているのか貶しているのか、少なくとも辻丸には後者に見えた。
「朱雀の血筋の竜華国。青龍の血筋の大村家に連なる一族。玄武の一族は元より遊牧民故に幅広く分布していると聞く。そして、八倉家を始めとした白虎。」
「その四神の血を引く者は妖怪の能力を得られる。例えば、秀でた治癒力や速さ、あるいは人間の姿から変わる程の戦闘能力。」
「人間の形から変わるほどの力は限られた者の能力だが。」
辻丸の認識の高さに対して感心しているというように頷くも、景之の表情は変わらない。
「お言葉ですが。」
風麗はその説明を聞いた上で発言した。
「妖怪の一族は万能ではありません。人間よりも秀でているという認識は改めて頂きましょう。」
真っ直ぐに意見を述べた。
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